最近、ネット界隈で話題になった記事です。
こりゃ、ほたえな: 自分の娘に性欲のはけ口を求めるサントリーウエルネス広告がキモすぎる
元記事は元記事でちょっと考え過ぎだよなあ、という部分もありつつも、広告に対する「反感」についてどうマネージメントしていくのか、これから非常に大きな課題になるような気がします。
マス広告は、作り手側がネガティブな反応に対して一定の配慮をしますし、出稿についての考査も受けます。影響力が大きいので当然です。
一方WEBは、ターゲットを絞り込んで表現を変えて出稿することが可能なので、ターゲット以外の反応についてはあまり考慮されないことが多いように思います。
元記事にもあるように、A/Bテストの結果「刺さる」表現についてどんどん先鋭化していくバイアスがかかりやすいわけです。
短期的に考えれば当然そのほうが反応が多いわけですから誰だってそうするでしょう。しかし長期的なブランディングとしてどうなのか?という点についてはまだまだ未知数です。世の中には「いいね!」ボタンはありますが、「よくないね!」ボタンはありません。人々が抱いているネガティブなイメージを知る方法はあまりないのです。あるいは、「炎上マーケティング」のように、どっちにしろアクセスを集めたほうが勝ち、という開き直ったような考え方も多いです。
サントリーというまさに広告を知り尽くした企業でもこうしたネガ反応についてコントロールするのが難しいのですから、反応がいいからといって、機械的にキーワードやイメージ写真を切り貼りして広告を出稿することにおいて、その危険性はもっと意識されてもいいのではないかと思います。出る杭は撃たれる、目立つと攻撃される、というのはそもそも目立ちたい広告にとって永遠の課題ではありますが、悪い反応がこうして可視化されやすいネットにおいては、新しい判断基準が必要なのではないかと思います。タイトルに書いたような不快指数を測るとか。まあ、誰も得しないからやる人はいないんだけど(笑)
昭和生まれの僕としては、自分の年齢を知っているかの如く原稿が掲出されること自体、あるいはちょっと調べ物をすると関連するバナーでブラウザが埋め尽くされてしまうグーグル的世界に、一抹の気持ち悪さも感じてしまうわけで。インターネットの世界は、利便性とプライバシー、好感と反感など、いろいろな線引が本当に難しいです。
One thought on “広告の不快指数。”
コメントは受け付けていません。