ルミネCMのこと。

一応業界の端っこの方にいる身としての忘備録。

ルミネの動画CM(Youtube)が炎上。ついに動画も非公開になったようです。下記はまとめ記事。動画リンク先が非公開になってます。

ルミネトピックス | LUMINE

ルミネCMの何がダメなのかわからない人向けにまとめました。 – Togetterまとめ

マス広告と比べ、ネット広告は尖り具合が優先されネガティブチェックが甘くなるのでは?といった意味のことを以前書きましたが、その懸念がこんな形で表面化した、という感じです。

広告の不快指数。 | ekotova.com

ネットはネガ反応が可視化されるので、広告表現については全方位的にケアしないといけない時代に突入した模様。

ターゲット以外の人の反感に注意する、という当たり前といえば当たり前のことなんですけどね。

ただ、ターゲット属性というよりはマインド属性で反応が変わりそうな今回のような案件を見るにつけ、広告はどんどん難しい方向へ向かっているなあ、という気がしています。代理でなにか作る、というのが、成立しなくなっているのではないか?という気さえします。

ついにアイドルも無料の時代へ。

来るべきものが来たといいますか。

【私たち、無料です。】フリー素材アイドル MIKA☆RIKA

アイドルの写真が無料で使えちゃう、というサイトがついに登場。

ストックフォトも無料で使えるところがユーザーを増やしているわけで、自分の顔写真をバンバン露出させたいアイドルがフリーミアムで活動するのは当然といえば当然の流れ。

僕も早速ダウンロードしてこのブログに貼ってみました。4239×2826のそれなりに大きな画像ファイルで、使い勝手も良さそうです。広告業界に激震、というかカンプはこれで作るのがデフォになりそうだなあ。(※ただし利用期間に制限があります)

誰かが後追いするのも時間の問題なわけで、つまりアイドル(まあ、売れる前ね(^o^)の写真は無料で使える時代に突入したというわけです。スゴイことになってきました。このやり方がアイドルマーケティングの主流になる予感がします。

無料とか、炎上とか、ネット時代に注目を浴びる方法はますますチキンレースの様相を呈してきましたね。10年後はどうなってるんだろう。

東京国際映画祭の不評コピー。

ひさびさにつぶやいてみようかなあと思いました。

東京国際映画祭のキャッチコピーがネット上で批判されています。

東京国際映画祭のとあるコピーがひどい – NAVER まとめ

ニッポンは、

世界中から尊敬されている

映画監督の出身国だった。

お忘れなく。

個人的には、なんで「お忘れなく。」って捨て台詞つけちゃったかな、という感じ。有り無しでずいぶん印象が違います。逆に炎上狙ったのか?と勘ぐられるレベルですね。個人の業績と国を重ねあわせるのは別におかしいとは思いませんが(オリンピックとか成立しなくなっちゃいますし。ただレトリックがこの映画祭の趣旨と合っていない)、誇らしさは謙虚さと同居していないと受け入れられにくいですよね。

このコピーに決まった経緯とか誰が書いたとか興味はなくて、以前にも書きましたが、広告に対するネガな意見がどんどん可視化されるようになったときに、広告業界はどう対応するのか、ということが気になります。前は単に世の中からスルーされるだけだったんですけどね、こうして批判されることに対して、業界としてどう考えるのか。

広告の不快指数。 | ekotova.com

差別問題や意図せぬ誹謗中傷などへのチェック体制、ガバナンスを強化するのか、もっと全体的に表現をマイルドにしていくのか、逆に炎上を狙っていくのか・・・。マスコミそのものが「マスゴミ」などと陰口を言われることに対して何の免疫もなく、その対処方法も無視を決め込むのか対話をするのか腰が座っていないように見えるのと同様に、広告もスタンスが問われている気がしてしょうがないです。そしてまだその方向性は見えていません。個別のクライアント企業に下駄を預けるしかないのかなあ・・・。というわけで、特に結論とかないのですが、面倒なこと、逆境はチャンスでもあるので、こういう批判をどう前向きに持っていけるかだと、思うんですけどねえ・・・。

広告の不快指数。

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最近、ネット界隈で話題になった記事です。

こりゃ、ほたえな: 自分の娘に性欲のはけ口を求めるサントリーウエルネス広告がキモすぎる

元記事は元記事でちょっと考え過ぎだよなあ、という部分もありつつも、広告に対する「反感」についてどうマネージメントしていくのか、これから非常に大きな課題になるような気がします。

マス広告は、作り手側がネガティブな反応に対して一定の配慮をしますし、出稿についての考査も受けます。影響力が大きいので当然です。

一方WEBは、ターゲットを絞り込んで表現を変えて出稿することが可能なので、ターゲット以外の反応についてはあまり考慮されないことが多いように思います。

元記事にもあるように、A/Bテストの結果「刺さる」表現についてどんどん先鋭化していくバイアスがかかりやすいわけです。

短期的に考えれば当然そのほうが反応が多いわけですから誰だってそうするでしょう。しかし長期的なブランディングとしてどうなのか?という点についてはまだまだ未知数です。世の中には「いいね!」ボタンはありますが、「よくないね!」ボタンはありません。人々が抱いているネガティブなイメージを知る方法はあまりないのです。あるいは、「炎上マーケティング」のように、どっちにしろアクセスを集めたほうが勝ち、という開き直ったような考え方も多いです。

サントリーというまさに広告を知り尽くした企業でもこうしたネガ反応についてコントロールするのが難しいのですから、反応がいいからといって、機械的にキーワードやイメージ写真を切り貼りして広告を出稿することにおいて、その危険性はもっと意識されてもいいのではないかと思います。出る杭は撃たれる、目立つと攻撃される、というのはそもそも目立ちたい広告にとって永遠の課題ではありますが、悪い反応がこうして可視化されやすいネットにおいては、新しい判断基準が必要なのではないかと思います。タイトルに書いたような不快指数を測るとか。まあ、誰も得しないからやる人はいないんだけど(笑)

昭和生まれの僕としては、自分の年齢を知っているかの如く原稿が掲出されること自体、あるいはちょっと調べ物をすると関連するバナーでブラウザが埋め尽くされてしまうグーグル的世界に、一抹の気持ち悪さも感じてしまうわけで。インターネットの世界は、利便性とプライバシー、好感と反感など、いろいろな線引が本当に難しいです。

イケアの流儀。

雪が降ったら雪だるまを作りましょう。カッコの中のsome assembly requiredが効いています。ここにはタレントも商品写真もないですが、充分にブランディングと共感性があります。うまいなあ。