「旬」といいますか、個人的にへ~と思ったので。
「心が折れる」というのは、古くからある表現だと思っていたのですが、女子レスリング発の言葉だったらしい。
「心が折れる」、起源は女子プロレスの伝説の試合 :日本経済新聞
神取忍さんですか。
現在では自分の心理状態を指す言葉として使われますが、このときは相手の心を折ってやる、という攻撃的な意味で使っていたのですね。面白い。
記事にある通り、「心が折れる」という表現は芥川龍之介のときからあったようですが、こちらは頑なな心を振り向かせる、という意味。そしてさらに唐時代の杜甫が漢文で「平生心已折 行路日荒蕪」という表現をしているようです。こちらはまさに挫折の意味。整理すると…
●唐の時代、杜甫「心が折れる」→挫折
●大正時代 芥川「心が折れる」→気持ちをこちらに向かせる
●1987年 神取「心を折ってやる」→(骨の代わりに)心を砕く
●現在 一般人「心が折れる」→挫折
結局一周りしていまはもともとの用法になっている(笑)というかやっぱり古くからあったのでは?というオチ。まあ、レトリックとして普遍的ですものね。緊張していたものがポキンと折れる、というのはとてもナチュラル。杜甫さんだって、今の人だって、同じ気持なんですよ。