出世魚ならぬ出世「語」。

I See Who You Are Now
マジ!ウソ!ヤバ!HckySo / Foter / CC BY-NC

僕の知る限り、今世紀(あるいは20世紀後半から)最大の出世日本語は「ヤバイ」に決定です。

語源由来辞典によると、もともと「ヤバ」という形容詞があったようですが、僕が小さい頃は、刑事物のドラマなどでだいたい犯人やヤクザ関係の方だけが使用するような言葉でした。「あいつもパクられちまったぜ、こっちもそろそろヤバイな」そんな感じの使われ方。

子供が使おうものなら、その時点で不良決定です。あんな言葉を使う子供と付き合ってはいけません、とまわりの大人から言われるレベル。

それが、80~90年代ぐらいからかなり一般的になってきました。とはいえ、まだ「常軌を逸してるよね」という意味での使われ方でした。バラエティで使われだしたのもその頃ぐらいですかね。「お前その髪型ヤバイな」みたいな感じ。

それが21世に入って、一定の閾値を超えるものはいい意味としても「ヤバイ」が使われ始めました。「マジヤバくね?」はGOOD・BAD両方の意味で使いますよね。その閾値がまた低いw

いま、僕のまわりの小学生は「ヤバイ」「キモイ」「ウザイ」のだいたい3語で会話を成立させています。男の子も女の子もです。「このアイス、ヤバくね?(とてもおいしいの意)」「ゲーム1時間までとかウザ」「なめこキモくてオモロイ」そんな感じですよまじヤバイ(笑)

意味がほぼ180度変化しただけでなく、頻度もスゴイ。とにかくしょっちゅう「ヤバ!」って言ってます。

いちおう教育的にはたしなめてますけど、馬の耳に念仏。「ウザ」って言われるだけですよ(笑)

まあ、子供の世界のあれやこれやはさておき、こんなに日陰から日向へ大転換した単語もめずらしいので、僕的な出世語ナンバーワンとして表彰したいと思います。あんたはヤバイ!