勝負はお客様が買う前に決める!

『勝負は、お客様が買う前に決める!』

書籍のご紹介です。小林弘人監修 柴崎辰彦著 『勝負は、お客様が買う前に決める!』成功企業が密かに取り組む事前期待のマネジメント (ダイヤモンド社)

デフレだ!モノが売れない!打つ手なし!

そんな世の中に、ある種アンチテーゼとして投げかけられているのが、この本の中で紹介されている「事前期待マネジメント」。

モノやサービス、アフターサービスの手法が出尽くしているいま、購入以前のお客様の期待をいかにマネジメントするかというある意味ブルーオーシャン戦略なのです。SNSが普及しているいまこそ、期待のマネジメントがやりやすい環境になっているというわけ。ライバルと競合する前にファンにする方法論。

確かに飲食店などがランキングサイトに載ることで過剰な期待を受け、その反動で炎上したりリピーターを減らすというのはよく聞く話。だから最近では◯◯ログなどには掲載したくない、というお店も増えています。SNSを使い自分たちで情報発信できるのだから、期待をコントロールできるように自分たちでメディアを選び、顧客及び潜在顧客との交流を図りたいというのはとても自然な流れです。

事前期待と顧客満足には下記の相関があると本書では説いています。

・事前期待<実績・評価=リピート客
・事前期待≒実績・評価=印象が薄い
・事前期待>実績・評価=離脱

ですから、事前期待が高まりすぎないように「冷やす」行為も必要というのが面白いですね。まあ、通常は期待を抱いてもらうまでのハードルが高いので、ある種贅沢な悩みといえるかもしれませんが。

顧客との関係をマネジメントする、という発想でSNSに使いこなしている企業はまだほんの一部。これからはモノづくり、サービス提供、アフターケアと同時に、事前期待をマネジメントするという視点も企業活動には必要になっていくことでしょう。

では、コンテンツのご紹介を。

序章 勝負は、お客様が買う前に決める!
1.お客様が買う前にライバルに差をつける
2.差別化のカギは、事前期待のマネジメント
第1章 ソーシャルメディア×事前期待のマネジメント
1.ソーシャルメディアを使うだけではダメ!
2.売り手の大きな勘違い
3.抜け落ちていたお客様の事前期待
4.サービスサイエンスの実践で分かったこと
第2章 まずは、お客様から注目される存在になる!
1.ソーシャルメディア上での話題作りを始める
2.ソーシャルメディアで「お客様のまわりの人々」を巻き込む
3.マス広告よりも新しいライフスタイルの提案
4.グーグルやヤフー!の検索よりも友人や知人の口コミ
5.感動するエピソードをお客様と共有
6.ソーシャルメディアを活用するうえでの留意点
第3章 ソーシャルメディアでお客様との信頼関係をつくる
1.プロフィールをオープンにして安心感を与える
2.リアルタイムの会話で親近感をもたらす
3.ソーシャルメディアで購入前の不安を解消
4.タイムリーなアドバイスで強い信頼関係を構築
5.ソーシャルメディア上でモノやサービスを共創
第4章 買う前にファンにしてしまう5つの法則
[法則1]ターゲットとなるお客様をイメージする
[法則2]ソーシャルメディア上でのやり取りからお客様の心理を感じ取る
[法則3]モノやサービスへの事前期待で、お客様を分類する
[法則4]さまざまな事前期待に応える
[法則5]ソーシャルメディアで事前期待をマネジメントする
第5章 お客様にファンであり続けてもらうために
1.ソーシャルメディアで広がる共感のコミュニケーション
2.ロング・エンゲージメントでビジネスを考える
3.お客様との「絆」が成長する企業の最高の財産

巻末にThanks to ということでいろんな方の名前が載っているのも最近のSNS本のトレンド。ちゃっかり僕の名前も載せていただいています。こちらこそサンクス!
事前期待のマネジメント 巻末名簿

実は、著者は僕の大学時代からの友人。IT企業勤務のくせに、こんなマーケティング的な本を書くなんて多才ですね。やるやるとは聞いてたけど(笑)ネタバレ御免w

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